(EYE モニターの目)今月のテーマ:性教育をめぐる報道

EYE モニターの目

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 ■海外の内容をもっと報じて

 海外で行われている性教育の内容をもっと報じて、日本と比較してほしい。国内で本格的な性教育を実施している学校はどれくらいあるのか、その詳しい内容や、教員や保護者や教育委員会の反応を知りたい。私は小学生の時、「いのちについて」というテーマで性教育を受けた。クラス内でしっかり話し合いながら理解を深められたという記憶がある。命の大切さ、人権尊重につながる性教育が、義務教育に組み入れられるとよいと思う。(篠明典 47歳 東京都)

 ■若い声踏まえた実践例は

 性的虐待やわいせつ事件、望まない妊娠などの問題を考えると「包括的性教育」は必要と考えるが、10代の娘を持つ母として、家庭で娘と話題にするには抵抗があり、娘の方も何となく恥ずかしいのか、家では触れない。家庭では皆さん、どのようにされているのだろうか。また、できるだけ若い世代の意見を採り入れる方が、性教育としてあるべき姿に近づけると思うのだが、そうした実践例などを知りたい。(菅原美恵子 46歳 愛媛県)

 ■ネットの役立つ情報、載せて

 子どもがいるので昨年11月29日朝刊の「時時刻刻/性教育 遅れる日本」を関心を持って読んだ。学校で本格的に性教育を扱うには年月がかかりそうだと感じた。学校教育が変わるのを待つ間にも、子どもたちはネットから過激で暴力的な性描写の画像や動画に日々触れて成長する。学校だけに頼っていては追いつけない。ネットには負の側面もあるが、性教育をポジティブに学べるコンテンツもあるので、そうした情報も報じてほしい。(山根幸 47歳 高知県)

 ■大人への性教育の現状を

 ジャニー喜多川氏から性被害を受けた方々の告白を受けて、被害者目線でも考えるべきなのでは、と感じた。また、ハラスメントについては社内研修などで知る機会がある人もいるが、業種や世代によって認識の差を感じる。「大人への性教育」の現状に関する記事は、ぜひ読んでみたい。情報が簡単に手に入る時代だからこそ、間違った知識を得ないように大人が仕組みを作り、子どもに適切に伝えていくべきだと思った。(早野真理 29歳 大阪府)

 <家庭で学校で、多くの声聞き報じます>

 7歳と15歳の息子がいます。「家庭でどのように」の声は、私自身の問題でもあります。性教育は、人が一生付き合っていく体と心に直結する学び。日々成長する子どもを前に、「学校だけに頼っていては追いつけない」の意見にはうなずくばかりです。

 一方で、学校で性教育を行う視点も大事にしたいと思っています。家庭に全てを任せると、どうしてもこぼれ落ちてしまう子どもが出てしまうからです。

 学校の先生からは多くの声を頂きました。「保健体育の標準授業時数では足りない」「理科で扱うべきだ」。どの教科科目で、何をどう教えるべきか。これからも様々な意見を聞き、報じたいと思います。

 「進んでいる」とされる欧州の国の性教育も実はうまくいっていない、との話も聞きます。海外も含めて引き続き、取材を進めていきます。教育面で随時連載中の「性教育を問う」もぜひお読みください。(東京社会部次長・山下知子)

 ◇東京本社発行の朝刊、夕刊の最終版をもとにしています

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