(EYE モニターの目)今月のテーマ:日銀の金融政策と円安

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 ■超初心者へ「わかる!」特集を

 経済への関心は薄く、わからないことが多い。日銀が国債を大量に買うとなぜ金利が抑えられるのか、金利と為替や物価はどう関わっているのか。金利が上下する仕組みや円高円安の基準や仕組みも難しい。金融や市場などを超初心者向けに解説した辞書的な特集「ゼロからわかる!」があると助かる。第1、第3日曜発行の「GLOBE」のように抜き出せると保存版になる。デジタルにも載せて、随時情報を更新してほしい。(小林信子 52歳 茨城県)

 ■生活への影響、具体的には?

 日銀の一連の記事は経済関係の知識が乏しい私にはとても難しい内容だった。金融緩和、長短期金利、それらが円安とどう関係しているのかわからないことだらけだ。11月1日朝刊の「いちからわかる! 金融緩和 何のため?」はわかりやすかったが、基本的な部分をもう少し掘り下げてほしい。また、経済は暮らしと密接に関わっているので、今回の緩和修正で私たちの生活に具体的にどういった影響があるかを知りたい。(出川智子 44歳 東京都)

 ■金融政策と政権、気になる関係

 日銀の金融政策と政権の関係が気になる。安倍晋三元首相(安倍政権)と黒田東彦・日銀前総裁(黒田日銀)以来、政権の意向と日銀の政策が直結しているように見える。岸田政権と植田日銀の関係性を特集してほしい。また私は農家に生まれた者として、物を作り、ときに加工し、それを売るのが経済と考えてきた。今は年金暮らしの身。金融政策の重要性はわかるが、もう少し「地べたの経済学」のような記事も読みたい。(千葉悟見 69歳 秋田県)

 ■緩和修正、政府はどう捉える

 日銀の異次元の金融緩和政策はアベノミクスと協調して始まったが、今回の緩和修正を政府がどう捉えているのか知りたい。政府の経済政策はアベノミクスの延長のように思えるが、見直すべきではないだろうか。そうした観点の記事を読みたい。また、記事を読んでいると、景気・経済に関して日銀に期待しすぎている感がある。景気のボトルネックになっているのは金融政策ではなく、問題は別にあると考えるべきではないか。(松岡史朗 53歳 兵庫県)

 <正確で、わかりやすく 工夫重ねます>

 ものの値段は上がるのか下がるのか。円の価値は保たれるのか。私たちが安心して暮らす大前提となるのが、物価や通貨の安定です。そこに直接影響を及ぼす日本銀行の金融政策を、重点的に報じてきました。

 起きたことを正確に、かつ、わかりやすく。その両立に苦心してきました。日銀の発表は「日銀文学」と言われるほど難解で、かみ砕いて説明するには、紙面はいかにも狭い。さらに工夫を重ねていきます。

 ご提案の「ゼロからわかる!」、さっそく考えます。難しい言葉に用語解説をつけるといったことはもちろん、ニュースを「地べた」のストーリーに落とし込むことで、今起きていることの本質をあぶり出すような記事にも、さらに挑戦します。

 約40年ぶりの物価上昇が続き、金融政策は転換点を迎えています。政治との関係や、日本経済が抱える問題のなかで金融政策をどう位置づけるべきかも、改めて検証するつもりです。(経済部次長・江渕崇

 ◇東京本社発行の朝刊、夕刊の最終版をもとにしています

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