(EYE モニターの目)今月のテーマ:読書面について

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 ■未知の分野、紙面がいざなう

 読書面は土曜日の楽しみのひとつだ。読みたい本を探す参考にしている。ネットでは自分の好みの本ばかり提案されるが、紙面では、人類史や思想など理系の私にとっては未知の分野の本も紹介されるので、読書の範囲が広がって面白い。1冊の本について、複数の人のさまざまな視点の書評が載ると、より参考になる。可能なら、一般人の書評も読みたい。財務や金融統計など少し専門的な実用書の書評もあるとよいと思う。(中島美由紀 63歳 北海道)

 ■取り上げる本の選出基準は

 書評で取り上げられる本の選出基準が知りたい。朝日新聞が選ぶのか、書評を書く人が選ぶのか。また、紹介される本に偏りがあるように感じるので、読書面が3ページの週は2ページを文芸、コミック、雑誌など分野ごとのその週お薦めの書籍、「売れてる本」などに割き、残り1ページで「ひもとく」「著者に会いたい」に加え、例えば今なら藤井聡太八冠にちなんで将棋の本にするなど、時機をとらえたテーマの本を紹介してほしい。(石澤牧子 59歳 埼玉県)

 ■連動サイトで聞く著者の声

 読書面と連動しているサイト「好書好日」では、本の紹介に目を通すほか、ポッドキャストの「好書好日 本好きの昼休み」も聴く。著者が登場する回は、作品への思いや執筆時のエピソードが、まさに肉声で伝わってくる。質問に答える前の「間」を受け取ることで、気づきもある。サイトには、原作のある映画の主役らのインタビューもあり、興味深い。記事がきっかけで映画を見たり原作を読んだりすることもある。(伊藤陽子 48歳 東京都)

 ■ジャンル広くランキングを

 読書面は毎週目を通している。特に参考にしているのはランキングで、なぜ今、その本が売れているのかを考えるのが楽しい時間になっている。できればコミックなども含めもっと幅広いジャンルのランキングが複数載っていると良いし、書影もあるとうれしい。また、書評には若者向けの本が少ない印象があるので、「好書好日」のように絵本などにも幅を広げてもらえると、幅広い層が新聞に愛着を持てるのではないかと思う。(鈴木徳彦 39歳 福島県)

 <書評委員19人が、迷い、議論しながら>

 「書評で取り上げる本は、誰がどうやって選んでいるの?」と、よく聞かれます。せっかくの機会なので、ごく簡単に。

 読書面の書評は、大学教員や作家、社内の記者も含めて19人の「書評委員」が執筆しています。委員たちは2週間に1回集まり、書評を書く本を検討します。私たち読書面の担当者が書店で買い集めてきた本や、出版社から届く新刊の見本から、約100冊を選んで会議の場に持ち込みます。

 いま取り上げるべき本はどれなのか。社会的に注目されるテーマの本を紹介したいし、目立たないけれど味わい深い本にも光をあてたい。書評委員も私たちも、いつも迷い、時に議論をたたかわせながら、本と向き合っています。

 絵本やコミックを今後どう取り上げるのかも、大切な課題です。いま我が家ではオーディオブックで小説を「聴く」のが人気で、音声コンテンツの普及にも注目したいと思っています。(読書編集長・柏崎歓)

 ◇東京本社発行の朝刊、夕刊の最終版をもとにしています

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