(EYE モニターの目)今月のテーマ:猛暑をめぐる報道

EYE モニターの目

[PR]

 ■我慢でしのぐ時代、終わった

 猛暑への対策は急務だと思う。世界的な温暖化対策のほか、私たち自身の意識の改革も重要だと感じる。災害級の暑さに加え、物価の高騰が生活を直撃し、社会福祉士として働く日々の中で、経済的弱者の方々の過酷なくらしを心配している。彼らはどれだけ我慢しているのかと。暑さを我慢でしのげる時代は終わったと実感する。そういう共通認識が必要だと思う。猛暑にどう対応していくのか、議論を広く掘り起こしてほしい。(江森雪恵 54歳 埼玉県)

 ■夏に大地震、避難生活は?

 くらし面の連載「気候危機と夏の住まい 適温で暮らしたい」(8月1~5日)では、建物の高気密・高断熱化の重要性や、エアコンに頼り切らずに温熱環境を整える「パッシブデザイン」という考え方がよく分かった。今後も、エアコンだけでなく、暑さをしのぐさまざまな方法を特集してほしい。非常時のことも気になる。大地震が真夏に起こり、避難所で生活することになったらどうすればいいのかも記事にしてほしい。(鈴木直子 46歳 愛知県)

 ■我が家でも工夫を始めた

 連載「気候危機と夏の住まい 適温で暮らしたい」は、住まいや環境を長い目で見て整える、暑さは心の健康にも影響する、などさまざまな視点を与えてくれた。自分にできることをやろうと前向きな気持ちになれた。そして我が家でも、人や家屋をいたわることになるかもしれないと、すだれと遮光ネットを買い、日ざしをやわらげる工夫を始めた。庭にできた日陰にはさっそくアシナガバチがやってきた。(文田明良 62歳 京都府)

 ■行事は従来通りでよい?

 8月6日朝刊3面「熱中症 しびれて水飲めず意識失う」を読み、運動して筋肉を付けると体内に水を蓄えやすくなるという話に注目した。熱中症の予防になるなら、やる気も出る。記事中の熱中症を経験した会社員の働き方も参考になる。こうした実例をもっと載せてほしい。一方、墓参やコンサートなどの行事を従来通りに行ってよいのかも気になる。特に高校野球はナイター実施やドーム球場併用なども検討できないか。(植田直人 54歳 広島県)

 <くらしに役立ち、環境考えるヒントに>

 8月は、日本史上最も暑い月になりました。電気代も高騰し、できればエアコンを使いたくない人も増えているでしょう。生活が苦しい人への支援を含め、社会的に酷暑にどう対処するべきか。まさに、そうした議論を広げる一助になれば、という点も一連の記事でめざしたことの一つでした。

 どうすれば少しは快適にくらせるのか。住まいに着目し、断熱性能を高めたり塗装を工夫したりといった最先端の技術や、海外の状況も取材した「気候危機と夏の住まい」は、1月に掲載した連載の続編でもありました。一般に、日本の住宅の断熱性能はほかの先進国に比べ遅れているとされ、夏は暑く冬は寒い家が少なくないのです。

 気候変動で今後さらに暑くなれば、暑かったはずの今年の8月が、この先で最も涼しい8月にもなりかねません。今後も、くらしに役立ち、社会や環境について考えるヒントになる記事を、様々な視点からお届けします。(くらし報道部次長・山田史比古)

 ◇東京本社発行の朝刊、夕刊の最終版をもとにしています

     *

 公募で選んだ読者の皆様に「朝日新聞モニター」をお願いし、毎週お寄せいただいている意見の一部を紹介します。この欄は、編集現場との「対話」の場を目指しています。朝日新聞モニターの意見に対し、編集局などの担当部署の責任者が答えます。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

連載EYE モニターの目

この連載の一覧を見る