(日曜に想う)武雄さんの夢、奪った戦争 論説主幹代理・沢村亙

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 広島で被爆した母が遺(のこ)した手記について、夏のこのコラムで書いてきた。今年は“武雄(たけお)”という名の少年の話から始めたい。

 原爆投下から4日目、母は山間部の親類宅に逃げる途中で、〈ミルク缶を大切そうに抱いたおば〉と偶然出会う。〈それは、いとこの遺骨を入れたミルク缶でした〉

 河野武雄さん…

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    沢村亙
    (朝日新聞論説主幹代理=国際政治、社会)
    2023年7月23日10時44分 投稿
    【視点】

    コラムの取材をしていて、戦時中の学徒勤労動員の過酷さを改めて知った。戦況の悪化と労働力不足が顕著になるに従って、動員の時間と頻度も増える。軍需工場での慣れない作業で事故が相次ぎ、目など顔に負傷した生徒も多かったという。食料が十分にないことに

    …続きを読む