(EYE モニターの目)今月のテーマ:「くらし面」について

EYE モニターの目

[PR]

 ■この面で政治・経済・科学を

 私にとって「くらし面」は、SNSで見かける親友の書き込みのようだ。目に留まった時に読むと発見があったり、何より心が軽くなったりする。特に「ひととき」は飾らない描写が気に入っていて、リラックスしたくなると読んでいる。こんな清涼剤のような「くらし面」の一部で、もっと政治・経済・科学を扱えないだろうか。生活感あふれる軽妙な文章で難しい話題を読み解いてほしい。専門記者の記事に比べてハードルが低くなれば、あまり興味がない人も引きつけられそうだ。(橋本恵治 56歳 和歌山県)

 ■先入観覆す内容を見出しに

 5月初めの連載「ひきこもり146万人」は、当事者の声、行政の取り組み、民間団体など周辺の活動にまで光を当てていて印象に残った。「家から一歩も出られない人は少なく、コンビニや趣味の用事では外出している」とか、「当事者は働きたいと思っていないわけではなく、居場所で元気になればほぼ自分から働く」など、先入観を覆される内容もあった。より多くの人に読んでもらうため、こうした世間のイメージと違っていそうな内容を見出しにして目立たせる手もあると思う。(金子葵 25歳 東京都)

 ■「ママ友は必要ない」にホッ

 10代の2人の息子がいる。ママ友が必要かと問われると「必要ない」と答えてしまうほど、ママ友のいない人生を送ってきた。理由は様々あるが、私のようなタイプは珍しいのではと思っていたら、5月1日の朝刊「HUGSTA ママ友・パパ友 どう付き合う」で、ママ友がいないという人が大幅に増え、必要ないと考える人も増えている可能性があるという調査結果が載っていて、少しほっとした。ママ友というくくりではない、趣味などを通した人間関係の築き方のヒントがほしい。(鈴木由紀 46歳 神奈川県)

 ■財布にやさしい料理メモ

 料理好きの私は「料理メモ」を毎回楽しみにしている。いつもは献立の参考になればとパッと眺める感じだが、最近何度か、材料・手順をしっかり守って、記載通りに作ってみた。出来上がった料理はどれもおいしく、「料理メモ」のすごさに感服した。ただ、目安にしている食費はオーバーしてしまった。賃金が上がらず食料品などの値上げは続いているので、もう少しお財布にやさしい献立も希望したい。節約につながる情報もあれば、もっと楽しめるのではないかと感じる。(榊原亘 54歳 東京都)

 <「あ、私だけじゃない」大切にしながら>

 くらし面を親友のように思ってくれる方がいらっしゃるとは、感激です。「あいつ、今日は何を書いたかな?」。そんな気持ちでお付き合い下さるとありがたいです。

 くらし報道のゴールは、記事そのものではないと思っています。人が、その人らしく暮らせる社会に近づくために記事はある。それゆえ、ともに考え、悩んでくれる読み手の皆さんが近くにいてくれたら、とても心強いです。

 「世間のイメージと違う内容を見出しに」というご指摘は、いつも悩む点です。素直に伝えるか、少し驚いてもらうか。5月6日朝刊の見出しは「家族内での問題解消に限界」でした。これを「実は大半がコンビニで買い物 ひきこもり146万人」にすれば、先入観は覆せそうですが、コンビニでの買い物への批判と受け取られるかも――。見出しは関心の低い人に記事を届ける術(すべ)でもあります。工夫を続けます。

 最後に、「パパ友は必要ない派」に近い一人として。私もあの記事にホッとしました。「あ、私だけじゃなかったんだ」って大切ですよね。そんなことを思いながら、今日も明日も、くらし面をお届けしていきます。(くらし報道部長・野瀬輝彦

 ◇東京本社発行の朝刊、夕刊の最終版をもとにしています

     *

 公募で選んだ読者の皆様に「朝日新聞モニター」をお願いし、毎週お寄せいただいている意見の一部を紹介します。この欄は、編集現場との「対話」の場を目指しています。朝日新聞モニターの意見に対し、編集局などの担当部署の責任者が答えます。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

連載EYE モニターの目

この連載の一覧を見る