朝ポキの輪、5000万DL 朝日新聞ポッドキャスト

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 ニュースの背景や出来事の裏側、メディアを取り巻く環境などを記者が肉声で解説する「朝日新聞ポッドキャスト」(朝ポキ)が累計5千万ダウンロード(DL)を超えました。スマートフォンやパソコンで「ながら聴き」できる音声メディアとして歩みを始めて3年。リスナーの声を大切にしながら番組づくりを進めてきました。制作チームのメンバーたちが一押しのエピソードを紹介します。

 ■刺さる報道、世界から表彰 ヒップホップとコラボ 企画「Journa-Rhythm」

 人類にとって、活字の前に会話があり、歌がありました。朝ポキが、ヒップホップアーティストとともに報道をもっと「届く言葉」にしようと試みたのが「Journa-Rhythm(ジャーナリズム)」という企画です。

 Z世代を中心とするアーティスト5人が、朝日新聞の報道を手がかりにリリックと楽曲を制作。「日本のリベラル、調子はどう?」「キャラじゃなくて人間に見られるの100年かかりそう」「お前の未来 死ぬ勇気を向けろ 違うことに」など先鋭的なリリックをぶつける動画も公開しました。朝ポキでは、オーガナイザーのZeebra氏と各アーティスト、神田大介チーフパーソナリティーが語り合い、楽曲のテーマに絡めて社会が抱える課題を議論しました。

 この企画は世界的な広告賞の音楽部門やオーディオ部門で表彰され、「スパイクス・アジア2023」でグランプリと金賞、「アドフェスト2023」で銀賞、「ロンドン・インターナショナル・アワーズ2022」で銀賞と銅賞を獲得しました。リスナーからは「自分の価値観が、歌い手の感情と合わせて聴くことで揺さぶられた」との声も。これからも音声で心に刺さる報道を届けていきます。(中島晋也)

 ■語ろう平和、「タメ口」で 「耳で聞く広島」 ニュースの現場から#793

 再生ボタンを押せば、そこは広島市平和記念公園です。「ミーンミーン」とセミの声に包まれます。

 初任地の広島のみなさんと平和を語り合うシリーズ「耳で聞く広島」=ニュースの現場から#793=を、昨年6本つくりました。ゲストのひとり、渡辺裕子さんはガイド経験の豊富な友人で、マイクを持って一緒に公園を歩きました。かしこまらずに等身大で伝えたいと思い、「タメ口」で語り合っています。

 配信後、熱い反響が届き、広島を訪れた方もいらっしゃいました。「番組を思い出しながら原爆遺構や博物館をめぐりました」。さらに「いつか長崎からポッドキャストで、被爆体験や普段のくらしをお伝えできたらと思いました」との声もいただき、音声の可能性を感じました。

 被爆者の高齢化は進んでいます。在日韓国人2世の李鍾根(イジョングン)さんは、番組制作中に93歳で息を引き取りました。広島YMCAの配信イベントで戦争体験を証言された矢先のことで、催しを企画した大学生らに思いを聞き、李さんの音声とともに番組にしています。

 平和への願いは次世代へと託されました。あなたも番組を聴いて、バトンを受け取ってみませんか。杢田光

 ■羽生選手の決意、経験者の視点から 「橋本佳奈のフィギュアスケートストーリー」

 昨年7月、フィギュアスケーター羽生結弦選手が「プロ転向」を表明しました。「『引退』とはどう違うの?」と思った人も多いのではないでしょうか。

 昨秋に立ち上げたフィギュアスケートの番組の「羽生結弦さん、『引退』ではない理由 スケート競技歴14年の記者がよみとく#886」では、詳しく解説。競技と取材の経験者だから分かる裏話もお届けしています。選手の素顔に迫る回も好評です。羽生選手を10年以上取材したスポーツ部の後藤太輔デスクが、羽生選手が取材で発信してきた「言葉の力」を考察します。

 フィギュアは、社会とも深いつながりがあります。「ジェンダー」「英才教育」「女性の生理」など、社会問題ともつながる話題を深掘りしています。

 フィギュアが好きな人だけにとどまらず、多くのリスナーの琴線にふれる番組をお届けしていきます。(橋本佳奈)

 ■生きるヒントをお坊さんに聞くと 「お坊さんに聞け」

 お寺ってなんだかハードルが高い、お坊さんにこんなこと聞いていいの?――

 そんな風にお感じの方にこそ、聞いて頂きたい番組が「お坊さんに聞け」。これまで、ドローンに仏像を乗せて飛ばした住職や、プロの落語家からアマ(尼)になった僧侶、牧師に日本人ムスリムなど多彩な宗教者に話を聞き、配信は80回を数えます。

 たとえば、#694=ニュースの現場から=ではライトノベルやマンガなどで人気の「異世界転生もの」を、仏教マンガ研究家でもある禅僧の吉村昇洋さんに語ってもらいました。葬儀などで人の死に接する機会の多い吉村さんは、異世界転生は転生する側には「救済」かもしれないが、残された家族には突然大切な人を亡くす「喪失の物語」だ、と指摘します。

 お坊さんならではの視点を通して、リスナーの皆さんに新しい気づきをお届けしたいと思っています。(久保智祥)

 ■左利きあるある、体験談に共感続々 「楽屋裏」

 日常生活で、ちょっと不便だなと感じたことはありませんか。制作チーム員が、自ら体験した「左利きあるある」=MEDIA TALK#52―119、120、134、135=を語りました。

 横書きのノートで手が汚れるのは、日常茶飯事。右利きの人からすると、書きにくそうなペンの持ち方だと感じるかもしれません。これは、自分の書いた文字が見えるように手首を巻き込んでいるからです。他にも、駅の自動改札機で手がクロスしたり、インクが残っているはずなのにペンを使えなくなったり――。左利きあるあるは尽きません。それでも一つの個性だと思っています。

 リスナーさんから、自身の体験談や、左利きでよかった話など多くの反響をいただきました。

 楽屋裏では、他にも「黒歴史語学編」「ご当地お菓子」などを配信。制作チームを身近に感じてもらえるきっかけになればと思います。(堀江麻友)

 ■新聞をめくって、おすすめいっぱい 「一緒に新聞をめくろう!」

 わかりやすく読みやすい新聞を届けられるよう、編集者を続けて11年。気になった記事をざっくばらんに語り合う「一緒に新聞をめくろう!」のMCを4月に引き継ぎました。新聞の魅力を最大限引き出すにはどうするか、向き合う時間が格段に増えています。

 地域共通の学生服、卵の値上がり、選挙で一票を投じる意味――。「誰かにおすすめしたい記事は何か」という視点で新聞をめくっていくと、あれもこれもと数が膨れあがり、絞り込むのに一苦労。2週間分の新聞はふせんだらけです。

 番組では、神田大介記者の考察、安田桂子記者の指摘に加え、リスナーさんからのご意見も紹介しています。収録の一部をそのままお伝えする生配信も始めました。ツイッターの「コミュニティ」からご参加ください。フル配信は隔週の月曜日です。あなたも一緒に、新聞をめくろう!(宮沢賢一)

 ■記者の本音、肩ひじ張らずに

 カフェやファミレス、あるいはバーで、隣席から聞こえる会話がどうにも気になって仕方ない、なんて経験はありませんか。

 とっておきの話題で記者がゆったり雑談を交わす番組を「ニュースチャット」と題し、あの楽しさの再現を試みています。

 政治部出身で北京に駐在する冨名腰隆記者とは、国際情勢や政局などをめぐり、収録が3時間を超えることも。「ニュースの現場から」で3月31日に配信した#1055では、2008年ごろにジャニー喜多川氏の性加害問題を取材し、記事にならなかった経緯が語られました。どこかから圧力を受けたわけではありません。その理由とは。

 放送業界の取材が長い田玉恵美論説委員とは、3月17日に配信した#1040で、放送法の政治的公平性をめぐる総務省の行政文書問題について話しました。

 約80ページに及ぶ文書からはつくられた当時に総務相だった高市早苗氏の意外な一面が浮かび上がります。

 実は2人とも私と同期入社(2000年)。肩ひじ張らずに本音で話しています。続きはポッドキャストで、耳寂しいときのおともにぜひどうぞ。神田大介

 ■「朝リス」さん、交流してみませんか リアルイベント・ツイッターコミュニティ・おたより

 朝ポキが番組づくりで大事にしているのは、リスナー(通称・朝リス)さんとの対話です。制作チームが反省点やチャレンジしたいことを出し合う会議に、朝リスさんも感想フォームやメールなどで意見を寄せる形で参加。ずばり「制作会議」の名で配信しています。

 番組で取り上げてほしいテーマはもちろん、「バックナンバーを検索しやすくしてほしい」など、どうすれば朝ポキをよりよくできるか、一緒に知恵をしぼってもらっています。

 昨年9月には、朝リスさんと交流するリアルイベントを初めて開催。「発信元」「受け手」といった立場ではなく、朝ポキやポッドキャストが好きな仲間として語り合いました。

 ツイッターでは朝ポキの「コミュニティ」も立ち上げました。メンバーは現在、制作チーム員を含めて680人ほど。朝リスさんどうしで番組の感想を述べ合ったり、チーム員が「推し記事」を紹介したり。暮らしの中でのふとしたつぶやきなどの投稿もあり、和気あいあいとしています。

 さらに、MC陣のコラムを載せたメルマガ「朝ポキおたより」を始めました。

 これからも、朝リスさんとともに。QRコードから、みなさまのご参加をお待ちしています。(安田桂子)

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