(EYE モニターの目)今月のテーマ:新年の連載企画

EYE モニターの目

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 ■迷いに染み込んできた記事

 一番注目して読んだのは1面、2面の連載「灯(ともしび) わたしのよりどころ」だ。私自身の「迷い」の気持ちの中にそっと染み込んできた気がしたからだ。コロナ禍の日々、ウクライナで戦争が続き、元首相銃撃事件と旧統一教会問題、少子化に生活困窮……。私たちを取り巻く社会問題を連日、目の当たりにして閉塞(へいそく)感や不安、あきらめが渦巻く気分だったからだろうか。それでもこんなふうに生きているよ、こんなことを考えているよと伝える記事に励まされた。(松永俊夫 71歳 山口県)

 ■愛し合う2人、世界を照らす

 国際面連載「それでも、あなたを 愛は生きる力に」は毎回、読み応えがあり、短編小説を読むようだった。愛し合う2人の視点から世界の問題を照らし出す発想が素晴らしかった。日本にいると、難民問題や少数民族への迫害、国家間紛争などを遠い世界のことととらえがちになる。自分と同じ生身の人間が国境とは違う様々な分断線で引き裂かれ、それでも結びつきを求めて困難に立ち向かう姿は、読む者に「自分の外の世界」に目を向けさせるものだった。(前田敦子 58歳 神奈川県)

 ■原発依存しない答えの一つ

 岸田政権が原発推進にかじを切る中で、工夫しながら電気を節約し原発に依存しない方法を実行したいと考えてきた。連載「気候危機と住まい」は、その答えの一つを示してくれた。家や部屋を断熱化して、冷暖房を減らしても快適に暮らす人々など、一戸建て、古い団地などさまざまな環境における具体的なケースを紹介している。特に、市民にショッピングモールでゆっくり過ごしてもらう「ウォームシェア」の取り組みは、全国に広がればいいと思う。(杉井智子 61歳 茨城県)

 <小さな主語で紡いで、希望の灯を>

 ウクライナへの侵攻、元首相銃撃、衝撃に見舞われた年を経て、コロナ禍継続中の2023年は、新しい価値観や「分断」について、より深く考える年になるのかもしれません。そんな社会で、人々はなにを支えに生きていくのでしょう。「灯 わたしのよりどころ」では、心の置き場や穏やかさの基盤を探ることで、世の中を浮き彫りにしようとしました。

 よりどころと依存は表裏一体。負の面や厳しい現実にも目を向けて。人に頼ってもいいじゃない。日常生活のありがたみを感じたい。

 デスクや記者と議論を重ね、宗教、共同体、推しといったテーマが浮かんできました。大切にしたのは個々の現場から小さな主語で紡いでいくこと。そして、最後に希望の灯を。連載で書き切れなかったことも多く、今後に生かしていきたいと考えています。

 「気候危機と住まい」や「それでも、あなたを 愛は生きる力に」にも通底するのが、個人の生き方が世界に影響を与えるかもしれないという考え方です。それぞれの事情から世界を捉え直すこと。我々の大事な使命の一つだと考えています。(ゼネラルエディター補佐・吉村千彰)

 ■朝日新聞モニターになりませんか デジタル会員にご登録を

 朝日新聞社は読者の声を記事に生かすため、朝日新聞モニターを募集します。紙面・デジタル記事へのアンケートに2週間に1回、ネットを通じてお答えいただきます。任期は4月から半年間で、約200人を募集。回答1回につき1500円分の図書カードを任期終了時にまとめて進呈します。

 ▽応募方法 応募用画面(http://t.asahi.com/shimen別ウインドウで開きます)から=QRコード。応募多数の場合は選考します。応募いただけるのは、ご本人が朝日新聞デジタルの有料会員(「ダブルコース」「スタンダードコース」「プレミアムコース」のいずれか)か、ご本人と同居しているご家族が有料会員(「ダブルコース」か「プレミアムコース」)の方となります。同居のご家族が有料会員で、応募するご本人が朝日ID会員に登録していない場合は、登録していただきます。朝日新聞デジタルのトップページの「お申し込み」でご登録できます。2021年4月以降にモニターを経験された方は応募できません。今月27日締め切り。

 ◇東京本社発行の朝刊、夕刊の最終版をもとにしています。

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