(作家の口福)仮想のトルタ屋 星野智幸

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 父は私が11歳のときに病死したのだが、まだ元気だった1970年代前半、パン作りに凝っていた時期があった。父の父、つまり私の祖父が、当時はまだマイナーだった天然酵母の開発に取り組んでおり、その影響だった。

 ドイツの黒パンらしきものを作ろうとしたのだろうが、できあがったのは酸味のある石だった。何度焼…

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