(あるきだす言葉たち)はつ夏に寄す 西川才象

有料記事あるきだす言葉たち

にんにくの伸びたる芽をば手折りゆく一本一本タ行音確かに

 

にんにくのにおいの落ちぬ手を洗ういつまでもいつまでもわれは少年

 

唾(つば)を飲む音立てながらもぎてゆく信濃梅の実 これは宝石

 

ひたすらになれず心はしばし寄るかぼすの花の甘き香りに

 

歌にしてかぼすの花に報いんか香りを保存するすべは…

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