(科学の扉)月面の穴 月の来歴かたる地下空洞か
見慣れたクレーターとは違う、月面の縦穴が研究者の注目を集めている。6年前、日本の月探査機「かぐや」の観測で、複数あるのが見つかった。穴の下部では横方向にも空洞が広がっているとみられ、月の成り立ちの解明や将来の探査拠点としての利用につながる可能性がある。ロボットで探査する計画も動き出している。
2009年春、相模原市にある宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究施設。探査機「かぐや」が撮影した月面の画像を調べていた春山純一さんらのチームは、「マリウス丘」と呼ばれる地域に直径60メートルほどの奇妙な穴を見つけた。
それは、普通のクレーターと様子が違っていた。底が見えず、中は真っ暗。浅いクレーターなら、撮影時の太陽高度では、陰にならず底が見えるはずだった。
「やっと見つけた」と、春山さんは思った。太陽がより高い位置にある時に撮影された画像を調べると、底が見えた。計算では深さ50メートルはあるようだ。「穴の下には横方向に空間が広がっているに違いない」
月の地下に空洞がある可能性は国内外の研究者が推測していた。見つかった穴は、地下空洞の天井部分に開いた「天窓」ととらえると説明がつく。隕…
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