中国が有人船を打ち上げ 宇宙協力を加速、月のサンプルは大阪大にも
中国の有人宇宙船「神舟20号」が24日、中国北西部の酒泉衛星発射センターから打ち上げられた。宇宙ステーション「天宮」での要員交代が定期的に進み、月や火星での探査も成果を上げる中、中国は宇宙分野での国際協力を加速させている。
国営中央テレビによると、神舟20号は日本時間の25日未明に天宮にドッキングし、3人の飛行士は半年間かけて科学実験や船外活動に取り組む。
中国有人宇宙プロジェクト弁公室は打ち上げに先立つ記者会見で、香港・マカオ出身の飛行士が早ければ2026年に初飛行するほか、パキスタン人の飛行士の選抜を行っていると明かした。同国とは2月に外国人飛行士を天宮に送るための初めての協定を結んでおり、他国とも協議を進めているという。
無人機探査の分野でも協力を進める。中国国家宇宙局は24日、月探査機「嫦娥(じょうが)5号」が持ち帰った月のサンプルを大阪大学など6カ国の研究機関に貸し出すと発表。29年頃に打ち上げ予定の「嫦娥8号」では11の国・地域が関わる10のプロジェクトを新たに発表した。
- 【視点】
独自の宇宙開発を急ピッチで進める中国ですが、近年は同時に国際協力にも注力してバランスを取っている印象です。大阪・関西万博でも、2024年6月に中国が持ち帰った「月の裏側の砂」が早速展示されており、目玉の1つとなっています。また、嫦娥8号ミッ
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