袴田さん再審公判、検察側の論告が始まる 午後にも求刑へ

金子和史
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 1966年に静岡県のみそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(88)の裁判をやり直す再審公判で検察側の論告求刑が22日午前、静岡地裁で始まった。

 検察側は再審公判でも袴田さんが犯人だと主張しており、有罪にするよう改めて求める見通し。午後には弁護側の最終弁論も行われ、この日で結審する予定だ。

 昨年3月に東京高裁は、袴田さんを死刑とした確定判決には「合理的な疑いが生じる」として再審開始を決定した。

 検察側は、昨年10月から始まった再審公判で、袴田さんが「被害者を突き刺し現金などを奪って放火し、殺害した」と主張。確定審で提出した様々な証拠に加え、再審開始決定の根拠が誤りだとする専門家の意見書なども提出してきた。

 一方、弁護側は再審の初公判で無罪は明らかだとした上で、「自由な生活に戻させるために力を尽くすのが公益の代表者とされる検察の職責だ」と指摘。検察側が主張する構図は「実際とは全く異なる」と述べている。(金子和史)

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