被害女性、背中にも刺し傷 逃げる女性を数十メートル追う 新宿殺人

藤田大道 村上潤治
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 東京都新宿区タワーマンション敷地で8日未明、住民で無職の平沢俊乃さん(25)が刺されて死亡した事件で、平沢さんには背中にも刺し傷があったことが捜査関係者への取材で分かった。警視庁は、殺人容疑で9日に送検された職業不詳の和久井学容疑者(50)=川崎市川崎区=が、逃げる平沢さんを追いかけて襲ったとみている。

 和久井容疑者は8日午前3時10分ごろ、マンション敷地で平沢さんを果物ナイフで刺すなどしたとして現行犯逮捕された。

 捜査関係者によると、平沢さんの遺体には計数十カ所の傷があり、首や腹のほか、背中にも確認された。平沢さんはマンション1階のコンビニエンスストアを訪れ、自室に戻ろうとした際に和久井容疑者に声をかけられた。逃げ出したが、容疑者は数十メートル追いかけながら襲ったという。

 和久井容疑者は現場に果物ナイフ2本を持ってきており、最初に使った1本は刃が折れていた。その後、2本目を使ってさらに襲ったという。司法解剖の結果、死因は外傷性ショックで、傷は臓器まで達していた。

警告受けた日、神奈川県警訪れ「被害」と訴える

 和久井容疑者は2022年5月、平沢さんにつきまとったとしてストーカー規制法違反容疑で逮捕され、接近禁止命令が出された。今回の逮捕後の調べに、「(平沢さんの店の)経営を応援するため、1千万円以上お金を出した。返してもらうつもりだった」と供述しているという。

 神奈川県警によると、和久井容疑者は警視庁から文書警告を受けた日に川崎署を訪れ、「女性に多額のお金を渡している。お金を返してもらいたくて女性を待ち伏せしたら、警察から注意を受けた。被害にあっている私が、ストーカー犯人と言われなければならないのか」と訴えたという。(藤田大道、村上潤治)

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