【そもそも解説】水俣病とはどんな病気? 国はどう対応してきたのか

有料記事そもそも解説

石井徹

 水俣病患者らの団体と伊藤信太郎環境相の懇談の場で、環境省職員が団体側の発言をさえぎるようにマイクの音を切るなどしていた。公害行政は環境省の原点とも言われる。水俣病と環境省の歴史を振り返る。

 Q 水俣病(みなまたびょう)とはどんな病気か?

 A 熊本県水俣市にあるチッソの工場が廃水(はいすい)と一緒(いっしょ)に海に流したメチル水銀が原因の公害病だ。熱さや痛さなどの感覚が鈍(にぶ)くなる、見える範囲が狭(せま)くなるなど様々な症状(しょうじょう)がある。

 Q 公害対策は環境省(かんきょうしょう)の原点と聞いた。

 A 環境省の前身の環境庁は1971年7月、公害の防止や自然環境の保護などを目的に発足した。水俣病被害(ひがい)の救済は、大きな任務だった。

 しかし77年、水俣病と認定するには、複数の症状が必要として基準を厳しくした。このため、水俣病と認められない被害者によって、国や自治体、原因企業(きぎょう)の責任を問う裁判が相次いだ。

 Q 国はどう対応したのか。

 A 政府は95年、一定の症…

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