「外国の代理人」を選挙から排除、ロシア下院可決 現職は権限剝奪

ウクライナ情勢

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 ロシア下院は6日、ロシア語でスパイの意味がある「外国の代理人」に指定された個人に対し、国や地方自治体の選挙への立候補を禁じる法案を可決した。上院の採決後、プーチン大統領が署名して成立する。ロシアではウクライナ侵攻への反対を表明したジャーナリストらが指定されており、選挙から完全に排除されることになる。

 ロシア語では「外国の代理人」は、「米欧のスパイ」だと解釈される。立候補する人は必要な書類の提出前に、「外国の代理人」リストから削除される必要がある。現職の首長や議員に適用された場合は、法律の施行から180日以内にリストから削除されなければ、任期満了を待たずに解職となる。

 ロシアで「外国の代理人」制度が設けられたのは2012年。当初は「外国の金銭的支援」を受ける団体が対象だったが、その後、個人にも拡大。ウクライナ侵攻後の22年12月には「外国の影響下にある」だけで指定が可能になり、公務員などへの就職ができなくなった。

政権批判を封じる手段

 政府は「外国の干渉を排除する狙い」と主張するが、実際は人権団体や独立系メディア、外国系メディアなどを対象に、政権批判を封じる手段として使われてきた。

 すでに3月の大統領選では、反戦を訴えた候補者は書類の不備などを理由に排除された。今後は「外国の代理人」に指定することで、反政権派を完全に選挙から排除し、強権体制を一段と固める可能性が高い。

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