加賀屋の100人、広げる「おもてなし」 被災で休業、出向先で活躍

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大平要

 「日本一のおもてなし」で知られる石川県七尾市の和倉温泉の老舗旅館「加賀屋」。能登半島を襲った元日の地震によって、グループの計4館の旅館は、いずれも営業休止を強いられている。そんな同社は、社員約100人を全国の宿泊施設や飲食店に出向させた。休業期間中に社員が働く場を確保するのが狙いだったが、受け入れ側には「日本一」の接客スキルを学ぶ好機になっている。

 名古屋の玄関口、JR名古屋駅の上に立つセントラルタワーズ。その上層部に構える「名古屋マリオットアソシアホテル」のレストランは4月中旬の平日、ランチタイムでにぎわっていた。フロアでは、サービス係の原田博辰さん(36)がビュッフェの料理や食器を補充していた。きびきびと動くが忙しくても笑顔は絶やさない。できるだけ客に声をかけることを心がけている。

 「お客様と会話をすることで何を求めているのかを察知する。それを、先回りしてかなえて差し上げたい」

「ぜひ行きたい」即答した売店リーダー

 原田さんは、加賀屋が和倉温…

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