「君ソム」登場の中山薬局、能登地震で解体へ 店主「前に進まねば」

能登半島地震

上田真由美
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 アニメ化、実写映画化もされた人気漫画「君は放課後インソムニア」に登場し、ファンの間で「聖地」の一つとして親しまれてきた、石川県七尾市の中山薬局が、能登半島地震で被害を受け、取り壊されることになった。1日、全半壊した建物を自治体が取り壊す公費解体工事に向けた関係3者の立ち会いがあった。

 中山薬局は一本杉通り商店街の角にあり、同市を舞台にした「君ソム」では不眠症に悩む主人公の高校生2人が夜の商店街を歩く場面に実名でそっくりの姿で描かれている。

 この日、薬局を営んできた橋本秀和さん(79)は市の担当者、解体業者と、建物の構造や敷地の境界線などを確認。その後、取材に「父が60年ほど前に建てたハイカラな木造の建物が(「君ソム」の)作者の目に留まったのか、描いていただき、前で記念撮影していく方もいた。天災なので諦めて、次に進まなければ」と言葉をつまらせながら話した。

 元日には妻の淑子(としこ)さん(76)と薬局の建物にいたが、午後4時6分の最初の揺れで「津波が来るぞ」という近所の人の声が聞こえて店の外に飛び出し、同10分の大きな揺れで倒壊する店の下敷きにならずにすんだという。

 同市では公費解体の申請受け付けが3月に始まり、初日に申し込んだ中山薬局など9件が、市内で最初に解体に向けた3者立ち会いの手続きに進んだ。(上田真由美)

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能登半島地震

能登半島地震

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