「老害」と言わせない ハーバード大「人生追跡調査」が導く幸福論

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編集委員・森下香枝
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 幸せな老後を迎えるには、50代の過ごし方が鍵を握る――。米ハーバード大学は85年以上、約2600人の「人生の追跡調査」で幸福度を探る研究を続けています。現在、研究を担うロバート・ウォールディンガー教授(精神医学)が来日中の4月に朝日新聞の取材に応じ、人生の後半を幸せに過ごすためのヒントを語ってくれました。(聞き手=編集委員・森下香枝)

 ――ハーバード大学が1938年からやっている「成人発達研究」について教えてください。

 ハーバード大の卒業生を含め、貧困層から富裕層、子どもから大人まで幅広く調査しています。対象者には約2年ごとに生活状況などを聞く質問票を送り、5年ごとに健康診断のデータを集め、約10年ごとに対面で幸福度などをヒアリングしています。さらにその配偶者、子どもなど3世代へと調査が広がり、今では約2600人が対象になっています。こうした追跡調査は前例がなく、史上最長です。

ウェルビーイング(心身の健康や幸福)は、いったい、何によってもたらされるのでしょうか。85年にわたる調査が導いた結論とは

 ――調査で何がわかりました…

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    インベカヲリ★
    (写真家・ノンフィクションライター)
    2024年5月8日18時12分 投稿
    【視点】

    「ウェルビーイング(心身の健康や幸福)は、良き人間関係によって育まれるということ」というのは、当然のことだと思うが、人に囲まれていても孤独感のある人はいる。 よく、友達は大事にとか、大人になると友達は作れないとか、家族をつくらないと一人にな

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    中川文如
    (朝日新聞スポーツ部次長)
    2024年5月6日13時0分 投稿
    【視点】

    コレステロールよりも、人間関係の方が、老後の人の健康に影響大だったとは!他者と関わりを持ちたい、他者と仲良くしたい、他者に認められたい。それは人の本能なのだなあと、ロバート・ウォールディンガー教授のインタビューに改めて感じます。そして、イン

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