前だけ向けてるわけでもない「これが本音」能登高書道部が伝える思い
有元愛美子
「これが本音 これが現実」
「何を憎んでいいのかわからない 変わり果てた家と町を見て声が枯れるまで泣いた」
石川県立能登高校(能登町)の書道部は、約4メートル×約6メートルの大きな紙に言葉をつづった。
能登半島地震の後、書道部員たちは「復興 再生」と書いた作品を町役場に飾るなど、地元住民への応援や、支援者への感謝を伝えてきた。
しかし、今回練習している書道パフォーマンスの作品は少し違う。部長の橋本紗奈さんは、「これまで前向きな言葉を書いてきた。でもまだ4カ月しか経っていなくて、自分たちはそんなに前だけを向けているわけでもない。地震の被害が大きい部員もいる。本当の現実を、地震の時の皆の本音を、この作品で伝えたい」
書道部員6人は、毎年夏に愛媛県四国中央市で開かれる「書道パフォーマンス甲子園」の地区予選に向けて練習を重ねている。
書道パフォーマンスは、字を書くだけではなく、曲やダンスなども合わせて表現する。
地震が憎いというより、どうにか前みたいに
指導する府玻(ふわ)美智子…