フェイスブックの詐欺広告などを問題視 EU、メタの調査開始

ブリュッセル=牛尾梓
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 欧州連合(EU)の行政府にあたる欧州委員会は4月30日、フェイスブック(FB)やインスタグラムを運営する米メタに対し、デジタルサービス法(DSA)違反の疑いで調査を始めたと発表した。誤りを含む政治関連の情報や金融詐欺の広告を放置していることなどを問題視した。

 欧州委がDSA違反の疑いがあるとしたのは、日本でも問題になっている誤った広告の放置や、政治的な内容を含む投稿の過剰な制限だ。また、研究者に対する不十分なデータ開示や、違法な投稿を見つけた際の通報のしづらさも挙げている。

 DSAは巨大IT企業を対象に、利用者保護や広告に関する情報の開示などを義務づけている。欧州委は特に、メタが3月、投稿を追跡したり分析したりするためのツール「クラウドタングル」の廃止を発表したことを問題視した。「ファクトチェック」に取り組む機関や研究者が検証作業に使っており、「市民の言論や選挙プロセスを、第三者が即時に監視できないことに懸念がある」とした。

 メタは5営業日以内に、対応策などを報告しなければならない。義務を履行しなければ、最大で世界での売上高の6%の制裁金が科される可能性がある。(ブリュッセル=牛尾梓

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