世界的なブームを巻き起こした、中国人作家・劉慈欣(リウツーシン)さんのSF小説「三体」が中国と米国で相次いで映像化、日本でも配信され話題だ。映像化にあたっての脚色からは、中国をめぐる複雑な事情が垣間見える。
2008年に中国で出版された「三体」は、14年の英訳をきっかけに国外でもヒット。世界で2900万部売れ、SF界の世界的な文学賞であるヒューゴー賞をアジア圏の作品としては初めて受賞した。
映像化は、中国では配信大手のテンセントがドラマ版を製作。日本では昨年10月からWOWOWなどで配信中だ。おおむね原作に忠実で、これまで放映された30話で、3部作の原作の第1部にあたる内容を描いている。
一方、今年3月に世界で配信が始まったNetflix(ネトフリ)版は、製作総指揮に「ゲーム・オブ・スローンズ」のデイビッド・ベニオフを迎え、原作から大幅に脚色した。舞台を中国から英国に移し、原作では中国人だった人物も多様な人種のキャストが演じた。現在までに配信されている8話で、原作の第2部の途中まで到達するスピーディーな展開だ。
同社によると、製作の初期段…
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ネトフリ版を見終わって、現在テンセント版を全体の半分ぐらいまで見たところ。原作は未読。それぞれ一長一短というのがここまでの正直な感想。ネトフリ版はスピーディな展開にグイグイ引き込まれる魅力があるが、テンセント版も登場人物の性格や私生活まで丹
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3月に「三体」の実写化ドラマシリーズがネトフリで世界配信されたのを受けて、朝日新聞GLOBEの300号記念特集「地球外知的生命体を探す」(4月7日付)で、原作者の劉慈欣さんのインタビューを掲載しました。 https://globe.asa
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