リーフレットに書かれなかった「自民党」の文字 逆風にあえいだ王国

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垣花昌弘
【動画】衆院島根1区補選=菅原普、垣花昌弘、堀田浩一撮影
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 衆院島根1区補選に立候補した自民新顔の錦織功政氏(55)の陣営が最初に作ったリーフレットには、あってもいいはずの文字がなかった。「自民党」の3文字だ。

 今回の補選で自民は、「政治とカネ」の逆風をまともに受けた。陣営は裏金事件とは関係ない新顔の立場を生かし、候補者個人の清新なイメージを前面に打ち出す戦術を取った。

 「私どもの支部の中には党員を辞めたいという声があった」「非常に厳しい選挙になると認識している。自民党の文字が入ったカレンダーを配ることができない」

 自民が錦織氏擁立を決定する2日前の1月14日。くしくも投開票日に敗戦の弁を述べる会場となった松江市内のホテルでの県連の会合で、党の各支部からは悲痛な声が上がった。

 党本部は告示前、島根1区補選の情勢を楽観していたが、地元の感覚はまったく違った。

 支部の女性役員の一人は取材に、自民党のカレンダーを配れなかった嘆いた。「自民党というだけで変な顔をされたりする。『まだあんた自民党やっとるかね』と」

 さらに自民にとって誤算だっ…

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