「子どものこと知らないんだね」 人生変えた児童養護施設職員の一言

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聞き手・中島鉄郎
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 慢性的な人手不足に苦しむ児童養護施設。その実態に接して衝撃を受け、会社を退職して、施設と就職希望者をつなぐためにNPO「チャイボラ」を立ち上げたのが大山遥さんだ。なぜ思い切って仕事を変えたのか。「子どものために働く」とは?(聞き手・中島鉄郎)

「すごいでしょ」と母自慢の子も

 ――大山さんはNPO「チャイボラ」の代表ですが、ご自身も3月まで非常勤として児童養護施設で働かれていました。

 「チャイボラは、児童養護施設などの職員の確保や定着といった人的面でのサポートをしています。現場の職員の方々が毎日働く中で、実際に何に困っているか、何が足りないのか、などが自分自身も現場にいることでわかるのです」

 ――施設で実際に働いてみて、外からの印象とは違うことはありましたか。

 「私が関係する施設は、虐待が理由で入る子が多いのですが、親の自慢話をする子が多いことにとても驚きました。『ぼくのお母さんはね○○なんだよ! すごいでしょ』という感じで、食事のときなどに話してくれます。何か事件があると、虐待する親が悪魔のように言われますが、その子にとっては大好きな母であることもあるのです」

 「母親もまた、子の様子を心…

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