駄菓子屋に並ぶ「100円」の束…大人から子どもへ、優しさの輪

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菊地洋行
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 駄菓子屋にある額面100円の特別なチケット。子どもたちが店でお菓子やおもちゃを買う時だけ使える。代金は大人たちが寄付でまかなう。コロナ禍で途切れた地域のきずなを取り戻そうと、こんなシステムが各地で広がっている。

 三重県松阪市光町の住宅街にある駄菓子屋「LUCK STORE」。近くの小学校が早く終わる毎週水曜日の午後が「LUCKチケットデー」だ。

 店の一角にチケットがつづられた束があり、子どもたちは1枚を切り取って使う。10円のアメやガム、20円のラムネなど100種類を超える駄菓子が選び放題。合計100円以内に収めてもいいし、手持ちのお金を足して100円を超える買い物をしてもいい。使えるのは0歳~高校生。「水曜日の午後は塾があって店に行けない」という子もいるので、土、日曜日や祝日をチケットデーにすることもある。

 チケットで支払う代金は、賛同してくれた市内外の個人や事業所からの寄付でまかなわれている。チケットを使う際には、寄付してくれた人にお礼の手紙を書くのがルール。チケットの束には「おおたにしょうへい」「まゆちゃん」など寄付した人のニックネームや事業所の屋号が記されている。チケットがなくなるとお礼の手紙が届けられ、全額が使われたことを知らせる仕組みだ。

TVで知った「元ネタ」 通って仕入れたノウハウ

 店を営むのは中西綾子さん(44)。昨年10月、大型店やコンビニエンスストアの進出で閉店した地元スーパーを改装してオープンした。面積100平方メートルあまりのうち、3分の2が米国系の会員制スーパーの商品再販売、3分の1が駄菓子屋だ。

 小学生と中学生の子どもがい…

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