中華航空機墜落事故30年 「風化させてはならない」遺族会が慰霊式

米田怜央
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 名古屋空港中華航空機が墜落し、264人が亡くなった事故は26日、発生から30年となった。現場そばにある慰霊施設「やすらぎの園」(愛知県春日井市)で遺族会が慰霊式を開き、遺族のほか、中華航空や救助などに携わった関係者らが出席。30年を振り返りながら犠牲者をしのんだ。

 式では、亡くなった人の名が刻まれた慰霊碑に、遺族会の山本昇会長(70)と中華航空の顔子超・名古屋支店長(57)がそろって献花。遺族らも続いた。山本さんは「事故を起こしてはならない。風化させてはならない。遺族を生んではいけない。そんな思いの30年だった」と振り返った。

 両親を事故で亡くした酒井光男さん(69)は、慰霊碑に「おやじ、おふくろの年をとうに超えた。あの若さでどうして、という思いが募った」と語りかけ、「遺族は年をとっていく。記憶を教訓として残していくことが必要だ」と訴えた。

 事故は1994年4月26日夜に発生した。台北発の中華航空140便が着陸に失敗し、墜落、炎上。乗客249人と乗員15人の計264人が死亡し、生存者は7人だった。国内の航空機事故では、85年の日航ジャンボ機墜落事故に次ぐ惨事となった。(米田怜央)

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