第4回「カネ払え」着信が数百件、M&Aで事業再生「潰れる会社増やした」

有料記事M&A仲介の罠

藤田知也
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 携帯には1日数百件の着信があった。

 昨年秋のこと。A社共同代表のY氏(30)が折り返して話をする間にも、別の電話が次々とかかってくる。

 相手は、M&A仲介を通じて買収した中小企業の従業員と前経営者たちだけではない。その取引先や不動産賃貸の管理会社、金融機関、労働基準監督署、税務署、日本年金機構にクレジットカード会社や電力会社まで……。あらゆる相手が、何らかの支払いを迫り、事情を説明するよう求めていた。

 A社グループの破綻(はたん)が刻々と近づいていた。

買収先から抜いたお金で運営

 たまたま所得税確定申告を…

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