宮内庁と民間、立場を超えて「雅楽協会」発足 今なぜ?

有料記事リレーおぴにおん

聞き手・山口宏子
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 平安時代から現代まで、壮麗な音楽と舞を伝える雅楽。それを受け継ぐ人々が立場を超えて集まり、昨年秋、「雅楽協会」を作りました。いま、なぜ? 協会代表理事の小野真龍さんに聞きました。

リレーおぴにおん 「集まれば」

 雅楽は宮中や寺社の儀礼で奏されてきた音楽と舞です。中国大陸や朝鮮半島からの外来音楽と日本古来の歌舞が融合し平安時代に完成、千年以上変わらずに上演されています。

 江戸時代までは、宮中、奈良の社寺、大阪・四天王寺の3カ所で伝えられてきました。明治になって楽人(がくにん)の大半が東京へ移り、四天王寺では聖徳太子をまつる「聖霊会(しょうりょうえ)」の舞楽の存続が危うくなりました。その時、近くの願泉寺の住職だった私の曽祖父が伝承団体「雅亮会(がりょうかい)」を作って四天王寺の舞楽の伝統を守りました。私もそこで子供の頃から楽器と舞を学びました。

 皇室の儀式などで演奏する宮内庁式部職楽部の方たちと、私たち民間の雅楽人が、立場を超えて初めて集まり、昨年9月、「一般社団法人雅楽協会」を設立しました。目的は雅楽を次代につなげる環境作り。様々な課題の解決や提言、行政などへの働きかけをしてゆきます。

 目下一番の心配は、基本の管…

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