布教の強制、医療行為の拒否…「宗教虐待」こども家庭庁が初の調査

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大貫聡子 島崎周
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 宗教への信仰を背景とした親から子への「宗教虐待」をめぐり、こども家庭庁は26日、国による初の実態調査の結果を公表した。全国の児童相談所(児相)の2割弱が、信仰に起因すると思われる虐待事例があった、と回答した。

 厚生労働省は2022年12月、宗教虐待への対応方法をまとめた指針を全国の自治体に通知している。22年4月~23年9月にあった児相の相談対応事例のうち、指針が例示する虐待事例を全国232カ所に尋ねたところ、回答を寄せた229カ所のうち37カ所(16%)が「あった」と回答。対応件数は47件、一時保護したケースは19件あった。

 虐待の内容についての質問への回答(複数回答)では、「言葉や映像などで恐怖をあおり、子の自由な意思決定を阻害する」が37カ所のうち11カ所と最も多く、「他者の前で宗教を信仰している旨の宣言を強制する」「布教活動を強制する」が続いた。「信仰を優先し養育を放棄している」「子が祖父からの性被害を訴えたが、母が教義により取り合わなかった」などもあった。

 また、宗教によるものかは不明だが、親の信条に起因する虐待ではないかと思われる事例として、自然派育児へのこだわりによる受診制限など「治療服薬の拒否」、子が熱を出しても絶食で治そうとするなど「民間療法へのこだわり」の回答もあった。

 調査は同庁からの補助金を受けて民間調査会社が実施。児相のほか、救命救急センターが設置されている医療機関、市町村、信者を親に持つ「宗教2世」も対象にした。

 医療機関に過去3年間の虐待…

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