iPSで心臓再生 治験進む「シート」と「球」 二つの手法の特徴は

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野口憲太
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 iPS細胞を使って心臓の機能が弱まっていく心不全を治療する。そんな研究開発が佳境をむかえている。国内では「心筋シート」と「心筋球」という二つの手法で臨床試験(治験)が行われている。それぞれどんな特徴があり、何が期待されているのか。

 心不全は、全身に血液を送る心臓のポンプ機能が弱まった状態だ。「心筋」と呼ばれる心臓の筋肉に血液を送る血管がつまり、心筋がダメージを受ける心筋梗塞(こうそく)などが原因になる。

心筋シート治験 年内にも申請めざす

 山口県の50代男性も心筋梗塞になり、15年ほど前、心筋への血流を回復させる手術を受けた。しかし、心機能の低下は止まらず、主治医から、いずれ心臓移植が必要になると言われてきた。

 2022年に福岡市の九州大病院で診察を受け、iPS細胞から作った「心筋シート」の治験に参加してみないかと打診された。大阪大などのチームが20年から、患者への移植を始めていた。

 23年1月、九州大病院に入院し、胸に7センチほどの切れ込みを入れて、心臓の表面に心筋シートを3枚貼る手術を受けた。

 心筋シートは、iPS細胞か…

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