闇に消えゆく佐渡金山の朝鮮人名簿 空白の6日間と41年前の目撃者

有料記事多事奏論

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記者コラム 「多事奏論」 オピニオン編集部記者・田玉恵美

 少し前に「お蔵入りの名簿」の話を書いた。

 戦争中に新潟県の佐渡鉱山にいた朝鮮人労働者の名簿を写したマイクロフィルムが、新潟県立文書館にあるらしい。だが同館は名簿の写しがあるかどうか答えない。

 公立の文書館が資料の有無すら明かさないのはとても異例である。そんな話だ。

 なぜ有無を言わないのか理由を聞いても「言えない」というので、情報公開請求をした。

 今月になって開示された文書などによると、昨年4月19日、外部の研究者からの問い合わせに対して「元の所有者である鉱山会社の意向で中身は公開できないが、名簿の写しはある」といったん認めた県立文書館が、25日には「慎重に対応すべきであった」と反省していた。

 県立文書館の規則では「明確な定めがない」ものの、元の所有者の求めにより中身が非公開となっている資料の場合は、その有無についても「非公開とすることを基本」にするべきだった、と結論づけている。鉱山側に謝罪する考えも記されていた。

 この前例のない方針転換が行われるまでの空白の6日間に、なにがあったのか。

 調べると、この間の4月22…

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