北陸新幹線、大阪につながる? 先見えず… 消えたルートの待望論も

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佐藤常敬
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 北陸新幹線の金沢―敦賀間開業から1カ月余り。「終着点」となった敦賀から新大阪への延伸が注目されるが、着工の見通しは立たず、福井県内では嘆きの声が上がる。計画の「小浜・京都ルート」が進展せず、立ち消えとなった「米原ルート」の復活を期待する声まで出ている。

 「京都まで19分」「新大阪まで38分」「みんなの力で早期全線開業」

 敦賀駅から西に約35キロ。福井県小浜市役所のエレベーターのドアには、そんな言葉と北陸新幹線のイラストが躍る。

 敦賀以西をどうするか。与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)は2016年、複数のルート案から、小浜や京都を経て大阪までつなげる「小浜・京都ルート」に決定。鉄道建設・運輸施設整備支援機構は小浜市内のJR東小浜駅近くに新駅を建設する方針を示した。

 (仮称)新駅周辺エリア基本計画策定事業に584万円――。24年度の市の予算には、新駅周辺のまちづくりの可能性を探る民間委託調査の事業費が計上された。だが市新幹線・交通政策幹の角野覚さんは「22、23年度と続けて予算執行が見送られた事業なんです」と明かす。「3年連続で流れることはさすがに勘弁。今年は駅の場所だけでも示してほしい」

静かな商店街、募るイライラ

 足踏みの背景には、敦賀以西の国の事業認可の見通しが立たないことがある。今年度の政府予算でも着工については盛り込まれなかった。

 計画ルートには国定公園に指…

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