ゆずと伝統芸能が世代超えたステージ 歌って踊って「わっかフェス」

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橋本幸雄 岩田正洋
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 郷土や伝統芸能の魅力を、未来を担う若者とともに発信するイベント「わっかフェス」が3月24日、秋田市のあきた芸術劇場ミルハスで開かれた。昨年と同じ会場で、北川悠仁さん、岩沢厚治さんのデュオ「ゆず」と、「Akita和太鼓パフォーマンスユニット音打屋―OTODAYA―」が出演。地元の伝統芸能団体や東京の大学生と共演し、約2千人の観客を魅了した。オンラインでも配信され、約3千人が視聴した。

 2023年に続き秋田での開催となった「わっかフェス」。11年の東日本大震災で被災した東北3県を支えようと、三菱商事と朝日新聞社が14~22年に開いた「復興支援音楽祭 歌の絆プロジェクト」を引き継いだ。各地に伝わる芸能や民俗、文化を次の世代につなぐため、若者やアーティスト、地元の伝統芸能の担い手たちが力を合わせ、一つの舞台をつくり上げるイベントだ。

 最初の登場は「秋田市土崎港 港ばやし保存会」で、ユネスコ無形文化遺産「土崎神明社祭の曳山(ひきやま)行事」で使う飾りも舞台に登場。太鼓や鉦(かね)などの音色を響かせたほか、音頭取りが自慢の声を披露し、さながら祭り本番のような雰囲気をつくり出した。

 舞台では横に並べた太鼓の打ち手が演奏中に入れ替わり、東京学芸大学の和太鼓サークル・結(ゆい)のメンバーも難なくこなした。土崎港ばやし保存会会長の保坂司さん(65)が演奏を終えた舞台上でのインタビューで、「(学生には)ぜひ祭り本番で雰囲気を味わってほしい」と話すと、会場から大きな拍手が送られた。

 にぎやかなお囃子(はやし)から一転、次は「毛馬内(けまない)の盆踊」が舞台に上がり、三つの大きな太鼓を囲み、幻想的な踊りを披露。結の学生も保存会が準備した着物を身につけ、教わった手足の動きをしっかりとこなした。

 続いての登場は「花輪ばやし」。三味線や鉦、笛、楽しげなかけ声で会場を盛り上げた。結の学生もそろいの衣装をまとい、笑顔で練習の成果を見せた。

 「Akita和太鼓パフォーマンスユニット音打屋―OTODAYA―」はゲストアーティストとして、昨年に続いて迫力ある「なまはげ太鼓」の演奏を披露した。

 ゆずの2人は後半に登場。「タッタ」では毛馬内の盆踊の参加者らが舞台で踊り、会場の観客も一緒に曲に合わせてタンバリンをたたいた。「夏色」では突然雷がなり、なまはげに扮した音打屋のメンバーが再び登場。北川さんもなまはげの面をかぶって「泣く子はいねえかぁ」と盛り上げた。フィナーレは「栄光の架橋」。出演者全員が壇上で合唱し、会場と一体感を生み出した。

大学生、伝統芸能に新たな息吹

 若い世代の代表として参加し…

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