英国着の難民申請者、今後「10~12週で」ルワンダへ 法案が通過

有料記事

藤原学思
[PR]

 英国にたどり着いた一部の難民申請者を第三国である東アフリカのルワンダへと移送するための法案が23日未明、英議会での審議を終えて通過した。チャールズ国王が裁可し、法律となる。

 スナク首相は法案通過に先立つ22日午前、ルワンダへの第1便は「10~12週で」離陸すると発表。「『もし』も、『だが』もない。機体はルワンダに向かう」とし、複数の民間チャーター機を押さえたことを明かした。

 この計画は2022年4月、小型ボートで英国に来る不法移民が急増したことを受け、当時のジョンソン首相が打ち出した。だが、欧州人権裁判所が22年6月に移送直前で差し止めた。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も難色を示し続け、英最高裁も昨年11月、計画を違法と判断した。

■総選挙前、現政権の最重要課…

この記事は有料記事です。残り680文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2024年4月23日23時1分 投稿
    【解説】

    マニフェスト政治の悪いところが出ているような印象。難民申請者をルワンダに移送して手続きを行うという法律は、保守党がマニフェストのトップに挙げていた政策。ただでさえ不人気なのだが、これを実現すれば離れていく保守党支持者もつなぎとめることが出来

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    小林恭子
    (在英ジャーナリスト)
    2024年4月24日19時18分 投稿
    【視点】

    難民申請者を英国内に留まらせず、東アフリカのルワンダへと移送する法律が狙うのは、不法入国する移民の減少です。 英国に来たいと思って危険な小型ボートに乗ったのに、連れていかれるのが英国ではなく別の国・ルワンダとなれば、「行くのを止めよう」と

    …続きを読む