国宝「彦根屛風」公開 26日から彦根城博物館、江戸期の風俗描く

藤井匠
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 近世初期風俗画の傑作とされる国宝「彦根屛風(びょうぶ)」が25日から、滋賀県彦根市金亀町の彦根城博物館で特別公開される。幕末の大老、井伊直弼(なおすけ)の異母兄で、雅楽器などのコレクターとして知られる井伊家12代直亮(なおあき、1794~1850)が購入した屛風だ。5月14日まで。

 縦94センチ、横271センチ。江戸初期の寛永年間(1624~44)ごろの制作とされ、流行の発信源でもあった京の遊里、六条三筋町の様子を描いたと推定される。小袖や唐輪髷(からわまげ)などの装い、種々の遊びなど当時の風俗をリアルに描き、6曲1隻に配している。

 落款(らっかん、サインと印)もなく、作者はわかっていないが、卓越した手腕を持つ狩野派の絵師の手によるものとみられる。模写や翻案作品は多く、後世への影響力を示す。

 屛風に描かれた一部の人物と器物を選んで再構成した明治期の「風俗図」もあわせて公開する。

 一般500円、小中学生250円。27日午後2時から、高木文恵学芸員によるスライドトーク(展示解説)がある。当日先着順50人で参加費無料。(藤井匠)

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