鳥山明さんが教えてくれた アフリカの大使が気づいた「新しい世界」
牧野愛博
西アフリカ・ブルキナファソは近年、軍政に転じた。地方ではイスラム過激派の活動が活発になり、民間人の被害も相次ぐ。昨年11月に赴任した長島純大使は、首都ワガドゥグにほぼ閉じ込められた毎日を過ごす。仕事の行き詰まりを感じていた今年3月、自らの仕事を見つめ直す出来事に遭遇した。
「アンバサダー、俺は寂しい」。知り合いの欧州の外交官から突然、電話がかかってきた。最初は何を言っているのか、わからなかった。外交官は続けた。「俺が少年時代、一番好きだった人が亡くなった」
3月1日、急性硬膜下血腫のため、68歳で死去した漫画家、鳥山明さんのことだった。外交官は少年時代、翻訳された鳥山さんの漫画やアニメに夢中になった思い出を切々と語った。
長島氏は、ブルキナファソでも様々なSNSで鳥山さんの死を悼むメッセージや画像、映像が飛び交っていたことに気づいた。
ブルキナファソは、国連開発…
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