「5千票差」が示す多選批判のうねり 東海で連鎖する女性首長の誕生

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前川浩之 奈良美里
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 21日投開票された愛知県碧南市長選で、元市議の新顔小池友妃子氏(54)が、5選を目指した現職祢宜田(ねぎた)政信氏(72)と元市議の新顔鈴木良和氏(67)の2氏を破り、初当選した。愛知県内では2人目、同市では初の女性市長が誕生した背景には、過去3回無投票当選を続けた祢宜田市政への批判と、女性候補を押し上げようとする流れがあった。

 小池氏は1万4千票余りを獲得して当選した。「4期16年の現職に5千票差をつけた立派な票。選挙中、事務所に来る人たちがどんどん増えていた」。小池陣営幹部は、選挙中の現職批判のうねりについて、こう振り返る。

 政党や企業、団体からの推薦を受けない「無党派」戦略で、シングルマザーから労働組合の元幹部まで、市議時代の対話集会で知り合った人らが中心に活動した選挙戦だった。「子育てをするお母さんたちと一緒につくりあげた」という公約では、小中学校などの給食費完全無償化や高校授業料無償化の所得制限撤廃、「碧南版」の奨学金返還支援制度創設などを掲げ、自身も19歳と12歳の2人の娘を育てる母親だとアピールした。

 当選を決めた21日夜、小池氏を囲んだのは、大半が支援者の女性たち。小池陣営の会社員女性(43)は「16年間のしがらみがあるのかなと思ったが、(変えようという)市民の意見が小池さんに集まった」と話す。

 愛知県内では昨年8月に佐藤有美・長久手市長が県内初の女性首長として当選。岐阜県でも今月14日に投開票された岐南町長選で、34年ぶりの女性首長となる後藤友紀町長が誕生した。

 祢宜田陣営も、「多選批判があり、先日の岐阜県岐南町長選で女性が当選した流れが直撃した」(関係者)と見ている。

「ベテランの私がしっかりやる」訴えたけど…

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