「市長=旧統一教会」イメージ拭えず?落選 市民が突きつけた不信感

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前川浩之 奈良美里
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 21日投開票された愛知県碧南市長選で、政府が解散命令請求した世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係の近さが問われた現職市長が落選した。批判を強めた女性候補が初当選し、地方でも旧統一教会に対する世論の厳しさが浮き彫りになった。

「旧統一教会に触れない」戦略に徹したけれど…

 人口約7万2千人、県西部に位置する碧南市。市長選では、無所属新顔の元市議小池友妃子氏(54)が1万4千票余りの得票で初当選し、同市初の女性市長となった。

 5千票差で敗れた当選4回の無所属祢宜田政信氏(72)が、選挙戦に影響したと認めたのが「旧統一教会批判」だった。

 祢宜田氏は、旧統一教会の友好団体「天宙平和連合(UPF)」が中心の2021年のイベントの実行委員長などを歴任したと認めた。一方で「個人の政治活動の一環で、公務とは一切関係ない」「政教分離の観点からコメントを控える」と語ってきた。小池氏ら対立候補は選挙戦で説明するよう求めていたが、5選をめざしていた祢宜田氏は「個人的なことで、選挙の争点になることがおかしい」と主張していた。

 落選確実となった21日夜…

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    阿部藹
    (琉球大学客員研究員・IAm共同代表)
    2024年4月22日20時41分 投稿
    【視点】

    記事中で言及されているオンライン署名は、選挙に先立って今年1月に立ち上がった。 旧統一教会との関係を問われて「個人の政治活動」として頑なに説明をしてこなかった祢宜田氏に対し、碧南市の市民数人が関わりを明らかにすることなどを求めて始めたもの

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    塚田穂高
    (文教大学国際学部教授・宗教社会学者)
    2024年4月30日23時44分 投稿
    【解説】

    説明責任を果たさず、避け続けた現職の祢宜田氏が落選したのは当然だと思いますし、市民の良識による審判を受けたということでしょう。 記事中にある同氏の、「個人の政治活動の一環で、公務とは一切関係ない」「政教分離の観点からコメントを控える」などの

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