神戸の医師自殺、病院側が争う姿勢 母親が陳述「笑顔忘れられない」

山本逸生
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 神戸市東灘区の甲南医療センターの医師、高島晨伍(しんご)さん(当時26)が自殺したのは長時間労働が原因だとして、遺族が運営法人「甲南会」と理事長に計約2億3400万円の賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が22日、大阪地裁であった。被告側は請求棄却を求めた。

 この日の弁論で、母淳子さん(61)は「『優しい医師になりたい』と照れた晨伍の笑顔が忘れられない」と意見陳述した。

 淳子さんは、過労死した医師の遺族らと家族会をつくり、国に医療現場の長時間労働を是正するよう求めている。法廷では「後進の医師らの命を救うことが、晨伍の望みをかなえることだと確信しています」と訴えた。

 訴状によると、晨伍さんは2020年4月から研修医として働き始め、22年4月からは専門医をめざす「専攻医」(旧後期研修医)として勤務。専門医の資格取得に必要な学会発表の準備にも追われて翌5月、退勤後に自宅で自殺した。西宮労働基準監督署は23年6月、直前1カ月の時間外労働は207時間50分に及んだと認め、労災と認定した。(山本逸生)

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