初めて日本海を飛行した中国無人偵察機 元航空総隊司令官が示す懸念

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聞き手・牧野愛博
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 中国軍のWZ7偵察型無人機1機が3月26日、日本海を飛行しました。WZ7が日本海で飛行した事実が確認されたのは初めてです。航空総隊司令官を務めた武藤茂樹元空将は、中国軍によるA2/AD(接近阻止・領域拒否)戦略に沿った動きの一つだと指摘すると同時に、自衛隊の活動に支障が出る可能性への懸念を示しました。

 ――WZ7はどのような偵察機なのでしょうか。

 防衛省は昨年1月、WZ7が東シナ海から太平洋を往復飛行する様子を初めて確認しました。性能については不明な点が多いのですが、米軍の滞空型無人偵察機「グローバルホーク」をやや小型にした滞空型高高度無人偵察機と言われています。

 航空自衛隊のF15戦闘機の実用上昇限度は5万数千フィート(約17キロ)ですが、WZ7はさらに高い高度6万フィート(約18キロ)を長時間飛行することができます。グローバルホークは連続36時間程度の飛行が可能で、光学カメラとレーダーで地上と海上の目標を捉えることができますが、WZ7の滞空時間や搭載センサーなどについては不明です。

■中国の無人機はどんな情報を…

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