イランとイスラエル「影の戦争」は新局面に 制御不能になる恐れも
カイロ=其山史晃
19日早朝にイランで確認された爆発音は、イスラエルの攻撃によるものとみられ、「影の戦争」と呼ばれてきた両国の対立は、常に直接衝突の危険を伴うものとなる。この変化は中東地域全体を不安定化させ、米国を巻き込む世界規模の紛争にエスカレートするリスクをはらむ新局面になりうるものだ。
一連の報復攻撃の直接的なきっかけとなったのは、1日に起きたイスラエルによるとみられるシリアのイラン大使館空爆だ。しかし、この攻撃の背景には、昨年10月7日に発生したイスラム組織ハマスによるイスラエルへの越境攻撃と、それに続くパレスチナ自治区ガザへのイスラエル軍の侵攻がある。ガザでの戦闘以降、イスラエルはイランの支援を受ける中東各地の武装組織のネットワーク「抵抗の枢軸」の攻勢にさらされていたからだ。
ガザの局地紛争の火だねは…
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