中国産クエを「長崎産」と偽った罪で会社役員に有罪 社長らは無罪に

阿部峻介
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 高級魚クエの産地を偽り販売したとして、水産会社の社長ら5人が不正競争防止法違反の罪に問われた事件で、大阪地裁(岩崎邦生裁判長)は19日、社長ら4人を無罪とし、仕入れ担当を有罪とする判決を言い渡した。

 判決は三重県の水産卸売会社「ひろ」が2016年11月~17年1月、中国産の養殖クエ約300匹を「山口天然クエ」「クエ長崎」などと表示して卸したと認め、「産地偽装は明らか」と指摘。常務として仕入れを担当し、価格表を作っていた新井吉守被告(57)は不正を認識していたとして、懲役2年執行猶予3年、罰金110万円(求刑懲役2年、罰金110万円)とした。

 一方、社長ら4人については「販売を直接担当する立場ではなかった」とし、販売分のうち中国産が占める割合を具体的に認識していたとまでは認められないと結論づけた。

 5人は廃棄物の貝殻を海に捨てる海洋汚染防止法違反の罪にも問われ、判決は社長をのぞく4人を有罪とした。(阿部峻介)

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