原告ら明暗、国の責任問えず、弁護団の意見は? 新潟水俣病訴訟判決

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久保田正
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 水俣病の未認定患者らが国や原因企業に賠償を求めた「ノーモア・ミナマタ2次訴訟」の新潟地裁判決は、原告によって明暗が分かれる内容だった。大阪、熊本両地裁に続き、国による水俣病患者の救済策に転換を求める内容だと評価する声の一方、判決後の会見で原告や弁護団は厳しい表情を崩さなかった。(久保田正)

 原告側の会見は判決言い渡しから約2時間後に始まった。言い渡しから間がなく、原告は詳細な内容を把握できていないまま、登壇した。

 「新潟を離れるのが早すぎたのかもしれない」。埼玉県戸田市に住む吉田桂子さん(88)は会見後の取材に、悔しさをにじませた。判決を受けた47人のうち、新たに水俣病と認められたのは26人、認められなかった19人に自身が含まれていた。

 吉田さんが阿賀野川の魚を口にするようになったのは高校を卒業して約1年後。父の転居で現在の新潟市東区に住み始めた。近くに食料品店はなく、「父親が魚が好きで、釣った魚を行商のおばさんが毎日のように売りに来ていた」。阿賀野川の魚を食べる生活は累計4年ほどだった。

 体に異変が出始めたのは、食…

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