執筆中を再現、作家・吉村昭の書斎を移築公開 東京・井の頭公園そば

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平山亜理
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 「戦艦武蔵」「関東大震災」などの歴史小説や記録文学で知られる作家・吉村昭(1927―2006年)の書斎が、東京都三鷹市によって井の頭公園そばに移築され、一般に公開している。太宰賞の最初の受賞者で約370の著作がある吉村は「この世で一番安らぐ場所」といって、ここで数々の作品を執筆した。

 「三鷹市吉村昭書斎」と名づけられ、3月にオープンした。書斎や展示室のある「書斎棟」と、吉村の作品の数々がその場で読める「交流棟」がある。

 書斎は、長編歴史小説で、幕末水戸藩内の紛争などを描いた「天狗(てんぐ)争乱」を執筆中の部屋の様子や資料などを再現した。写真を元に、スクラップブックや地図、ペンなども配置。コピー機には、コーヒーを置いた丸い跡が、柱には孫の背丈を刻んだ跡も残る。

 交流棟は文化施設として整備。吉村と、妻で芥川賞作家の津村節子さんの書籍計約700冊を並べ、手にとって読むこともできる。現在95歳の津村さんが、夫の思い出を語る5分ほどの映像も上映している。

■毎朝、書斎に「通勤」して執…

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