目黒区長選、21日に投開票 候補者5人の「横顔」と主張
東京都目黒区長選が21日に投開票される。候補者5人の人となりや主張を紹介する。(届け出順)(中山由美)
伊藤悠氏(47)教育格差をなくしたい
学生時代、細川政権の誕生に衝撃を受けた。自民党ではない政党が担う、新しい政治の芽生えを感じた。区議を経て、28歳で都議に初当選、4期15年務めてきた。
親の収入によって教育格差が生まれないよう、学校に塾の機能を取り込むなど教育施策に力を入れた。だが、「区長が20年変わらず、区政が滞り、都政との連携もできていないのが残念」と出馬を決めた。
電力の地産地消や介護人材を増やすこと、防災拠点の整備も掲げる。海外の美術館や博物館巡りが趣味。国内外の町並みを見ながら、町づくりを考えるのも好きだ。
青木英二氏(69)6期目を目指す
兄が障害者で、福祉の遅れを感じたことが政治家を志す契機となった。
生まれ育った目黒は環境も治安も良く、「住み続けたい区」との評価の高さが誇りだ。子育て支援の充実など「安全・安心」の施策を掲げる。
5期20年の多選批判に対し、「3年で辞職、退職金は返納する。次の区長選を区議選と同日にすれば、予算削減と投票率アップが期待できる」という。「私しかできない最後の大仕事だ」
自称「健康オタク」で毎朝ウォーキングをする。机上には坂本龍馬の像を置いている。
河野陽子氏(61)DX化や防災、若者支援の充実を
河野太郎デジタル相とは祖父同士が兄弟。母は市議を長年務め、政治家一家に育った。自身は会社勤めを経て、娘3人を区内で育て、52歳で区議に初当選した。「区民の声を届けたい」との思いからだった。
区長が20年変わらず、デジタル化や防災対策の遅れなどを感じ、区議3期目で区長選出馬を決めた。「もっと便利で暮らしやすい区」を目指し、業務の効率化を考える。子育て支援、貧困やひきこもりなど様々な問題を抱える若者への支援にも力を入れたい。
参議院議員だった祖父・河野謙三が大切にした言葉「一隅を照らす」が信条だ。
滝下隆行氏(41)行動を起こさないと後悔する
掲げるのは「住民税の減税」。政治経験はないが、政治や社会に「文句を言い続けるだけなのはいや」と立候補した。
福岡県生まれ。就職に苦労し、大卒後も安い給与で将来の生活不安が続いた。27歳で東京へ。IT企業で働きながら、合間に経営大学院で学ぶ。
「行政サービスも、もっとIT化できるのでは」。業務のコストを削減し、人口も増やせれば、減税しても税収は確保できると考える。
「当選できるとは思わないが、やらないと気が済まない。何もやらずに後悔はしたくない」
西崎翔氏(40)区民との対話重視、野党共闘で挑む
目黒区で生まれ育ち、区内で就職、区議から都議へと「目黒漬け」の人生。高校時代に米同時多発テロ事件に衝撃を受け、互いを思いやる平和な社会をつくりたいと政治家を志した。
長年変わらない首長下の区政に閉塞(へいそく)感を抱き、3期12年までとする多選禁止の条例制定を公約に掲げる。区民との対話を重視し、区立児童相談所を設置、虐待や事故から子どもを守る「子育て丸抱え体制」構築を目指す。気候変動対策にも取り組む考えだ。
古い政治との決別、刷新を目指して「区民と野党の共闘」で挑む。
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