学術会議の任命拒否、文書開示求め提訴 「民主主義の根幹」問う

有料記事記者解説

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記者解説 編集委員・北野隆一

 日本学術会議の会員への任命を拒否された学者6人が、国を相手取り東京地裁に提訴した。経緯に関する行政文書の不開示は違法だとして、開示するよう求めている。支援する法律家らも加わり原告は計169人にのぼる。第1回口頭弁論は5月29日の予定だ。

 任命拒否された一人の加藤陽子・東京大教授(日本近現代史)は、提訴した2月20日に会見した。「任命を求めるものではない。行政の側が公文書を作成・保存する責務を負うことと、私たちの自己情報を説明なしに不開示とするのは人格的権利の侵害だということ。この2点を公文書管理と情報公開の制度を用いて明らかにしたい」と意義について述べた。

 支援する立場で原告に加わった三宅弘弁護士は1999年の情報公開法や、2009年の公文書管理法の成立に携わった専門家だ。「民主主義の根幹である情報公開や公文書管理制度の集大成となる歴史的訴訟だ」と位置づける。

ポイント

 日本学術会議の任命拒否問題で、経緯の文書の不開示は違法だと候補者らが提訴した。拒否の根拠や理由ははっきりせず、学問の自由を侵害するものだと指摘されている。行政が公文書をきちんと作成し、保存、公開することは健全な民主主義に不可欠だ。

 日本学術会議は戦後の194…

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