四国で初の6弱、南海トラフと関連は 専門家「ゼロでないが限定的」

川原千夏子 矢田文
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 17日夜に豊後水道沖で起きた地震は、現在の震度階級になった1996年以降、四国で初めて震度6弱を観測した。今後発生が心配される南海トラフ地震との関連はあるのか、地震学の専門家は「直接の影響は無い」としながら、警戒を続けてほしいと呼びかけている。

 政府の地震調査委員会委員長の平田直・東京大名誉教授(地震学)は、今回の地震について「南海トラフ地震が起きる可能性を直ちに調査するようなものではない」と話す。

 今回の地震は、南海トラフに沈み込む、プレート内で起きた地震で、プレートの境界で起きる南海トラフ地震とは発生のメカニズムが異なる。規模を示すマグニチュード(M)は速報値で6.4、その後の修正で6.6と南海トラフ地震の評価検討会を行う目安にする6.8を下回った。

「01年の芸予地震と同じメカニズム」

 筑波大の八木勇治教授(地震学)も「関連はゼロではないが限定的」と話す。南海トラフの震源域の端であり、影響はゼロではないと考えられるが、規模が小さいので限定的だという。今回の地震は、2001年に起きた芸予地震と同じメカニズムと見ている。

 ただ、今月には岩手・青森、宮崎で震度5弱を観測するなど、比較的揺れの大きな地震が各地で相次ぐ。

 平田さんは「このくらいの頻度で地震が起きることはよくあることだ」と説明する。マグニチュード6級の地震は、月に1回程度は起きるといい、「まんべんなく起きるものではなく、時期的に多くなったりするときはある。ならしてみれば、特段多いわけというわけではない」。日本はどこでも大きな地震が起こりうるとした上で「南海トラフ地震は前触れなく起きる可能性も高い。今回揺れのあった地域に限らず、改めて日頃から災害への備えをしておいてほしい」と呼びかけた。(川原千夏子、矢田文)

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