人気漫画を無断でネット上に公開し出版社の権利を侵害したとして、KADOKAWA、集英社、小学館の大手出版3社が、海賊版サイト「漫画村」（閉鎖）の元運営者の男性に、計約19億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、東京地裁であった。杉浦正樹裁判長は、元運営者に約17億円の賠償を命じた。

　海賊版サイトをめぐる訴訟の請求額としては過去最大規模。訴状などによると、漫画村は、開設された2016年2月ごろから閉鎖される18年4月までに、人気漫画や雑誌などの海賊版約8200タイトル（約7万3千巻相当）を無断で掲載し、当時の月間アクセス数は最大で1億に迫ったという。出版社側は被害額が約3200億円にのぼると推計し、その一部を元運営者に請求していた。

　元運営者に対する刑事裁判では、福岡地裁が21年6月、著作権法違反などの罪で懲役3年、罰金1千万円、追徴金約6257万円の実刑判決を言い渡し、確定した。元運営者は服役を終えている。（米田優人）