放課後の居場所問題、海外の試みは 「働く親のため」より必要な視点

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松本千聖
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学童保育はいま③

 「学童保育はいま」では、2回にわたり、放課後児童クラブ(学童保育)が直面する課題を描いてきた。一方で、子どもが放課後を過ごす場所は、学童だけでなく、児童館や公園など様々だ。望ましい放課後のあり方について、国内外の事例から考える。(松本千聖)

 東京都町田駅に近い「子どもセンターまあち」を1月、訪れた。町田市が運営する児童館の機能を備えた施設で、0~18歳が利用できる。子どもたちは貸し出しのおもちゃや持ち込んだゲームで遊んだり、広いスペースを走り回ったり、思い思いの時間を過ごす。

 小学6年(取材時)の男児は「ここに来れば誰か友達がいる。平日も土日も来ている」という。

 2016年の開館に先立つルールづくりの段階から、子どもの声を聞くことを大切にしてきた。小学3年以上でつくる「子ども委員会」が、館内のルールづくりやイベントの企画を担う。

 例えば、館内での飲食。児童館は、飲食は禁止か、時間が限定されているところが少なくない。でも、子どもたちは好きなときに食べたいと言う。話し合った結果、未就学児が使うエリアなどを除き、テーブルの上で食べるのはOKとした。

子どもたちの放課後はどうあるべきか。記事後半では、イギリスやオーストラリアの事例も紹介します。

子どもたちの声 延びた閉館時間

 「お菓子のゴミが落ちていた…

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    大川千寿
    (神奈川大学法学部教授)
    2024年4月23日22時15分 投稿
    【視点】

    一連の連載からは、学童保育に携わる職員、自治体、そして何より放課後の居場所を必要とする子どもたちについて、それぞれの課題が浮かび上がってきています。 現状をしっかりと認識し、問題を整理したうえで、特に国は目先の対症療法にとどまらず、大きな

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