甘えられぬ子どもたち 能登の被災地で日常を守るための「居場所」論
災害時に子どもの居場所をどう守っていけばいいのか――。能登半島地震の被災地で子どもへの支援を続ける金沢大の鈴木瞬准教授(教育学)はいま、そんな課題と向き合っているという。現場での活動から見えてきたこととは。
――どんな活動をされてきたのですか。
まず、金沢市に開設された1・5次避難所にキッズスペースをつくり、地元の保育士さんや放課後児童クラブの支援員さんに保育スタッフとして入ってもらいました。乳幼児から小学校高学年ぐらいの子どもたちが、多い日で20人ぐらいは来ていたでしょうか。
最初はお母さんから離れられない子もいましたが、できるだけ同じスタッフが寄り添い、「ここは居場所なんだ」と思ってもらえるように心がけました。
また、本を読んだりボードゲームで遊んだりできるスペースに加えて、ドッジボールができるような広めのスペースを用意しました。避難所では体を動かすことができないので、思いきりはしゃいで発散できる場所が必要です。
親もストレスを抱えていて、それが時として子どもに向かってしまうこともある。子どもを預けている間は、できるだけ休んでほしい。そんな思いで2月末まで活動を続けました。縮小しましたが、いまもスペースは残っています。
――見えてきた課題はありますか。
DMAT(災害派遣医療チーム)のように、災害時に子どもを支援するチームがない、ということです。
災害時に子どもの居場所が必…
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